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第8回 蜂蜜エッセイ応募作品

友情の絆は、蜂蜜。

和喜愛愛

 

 仕事の机に、真っ赤な血が口から噴き出した。自分でも驚きとともに、続けて咳き込むとまた痰と鮮血が机の上に広がった。隣に座る同僚のライターが、私に駆け寄り抱きすぐ、タクシーに乗せ、日赤病院に駆け込んだ。
 緊急搬送された内科の先生は急ぎ、血痰を採り調べた。私はその日は同僚に体を支えられて家に戻った。帰路中でも血を吐いた。
 連絡の結果は、肺結核。即、その日に日赤病院の隔離病棟へ入院となった。その知らせを嫁は、私の勤務先や友人に連絡をしてくれた。
 隔離病棟は肺結核で入院している男女が五十人ほどいた。高齢者が多かったが、私のように二十代は一人だった。                      
 当時は、仕事しながらも結婚式が決まり、その費用を蓄えてギリギリの生活をしていた。
 取材に追われ原稿を書き、発行誌の入稿日に合わせるなど、早朝から深夜泊まり込みまでした生活であった。結果、栄養不足から免疫力低下で結核に感染して入院。
 次から次と友人がこの日赤病院の隔離病棟に見舞いに来てくれた。
 その一人が、瓶詰の高級蜂蜜を見舞い品として来てくれた。彼がいうには「プロポリスの入りの蜂蜜で滋養があり、体力回復に最高のだよ」優しく渡してくれた。
 私は日々の食事後に、スプーン一杯のこの蜂蜜を口に入れた。
 その効果もあって、みるみるうちに体力回復と精神的な安定も取り戻し、何度かの検痰の結果、六ケ月で退院。半年は自宅僚で毎月、保険所に行き経過報告することで、社会復帰ができた。法定伝染病のため入院や治療代は無料で、会社からの低額だが毎月給与もあった。ハードは業務から、解放された入院生活だったが、何よりも婚約者の日々の見舞いと友人からの高級蜂蜜の人生最高の愛情と友情ある栄養を頂いた。当時の感謝とともに今も生きて、蜂蜜の瓶を眺めている。

 

(完)

 

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